「今年ももう終わりっすねぇ・・・」












まれてきたという奇跡










「いやー今年ももう終わり!早いですねぇ〜。」

どのテレビをつけてもそんな言葉ばっかり。

まぁ今年もあと数時間で終わりなんだし、皆気にするんでしょうね。

コタツでぬくぬくとしている雨とジン太の方を見ながら喜助はそう思った。

今年はいろんな事があった。

黒崎さんに出会って、立派な死神(といっても自分ではなんにも出来ないお子様みたいなものだけど)にするため修行をしてあげたりとか。

あと、ある女の子にであったこと。

ちょうど虚に襲われているところを助けてあげた。

涙で覆われていたその顔はまるで仮面でも付けたかのように固くなっていた。

ハニーブラウンの少し長めの髪、茶色っ気が混じったような純粋なその瞳。

身長はやや小さめでとっても可愛らしかった。

制服からして黒崎さんとおなじ学校の子だと思われる。





10時53分





「ジン太、雨。そろそろ寝ないと明日起きれないっすよ。」

テレビに夢中の2人にそう言い聞かせる。

「そば食うからまだ寝ない。」

そんな我が侭にテッサイが「年越し蕎麦なら食べる時に呼んであげましょう。」と優しく言う。

納得したのか2人は「はーい。」と言いながら自分達の部屋へと向かった。

「ちょっとお酒買って来ます。」

よっこいしょ、とちゃぶ台に手をかけ立ちあがる。

これだから歳はとりたくないものだ、なんて老人くさい事考えながら下駄を履く。





「おー寒い寒い。」

お酒を買って帰り道を急ぐ。カランコロンと小気味いい音をさせながら闇夜に包まれた小道を歩いていく。

(明日はおせち食べて、お店でお菓子安く売って、あ!初詣も行かなきゃなぁ。)

明日の予定を考えているとドンと肩に何かがぶつかった。

後ろを振り向くと女の子が倒れていた。

(こないだの・・・?)

自分の足元に落ちている手提げを拾い女の子に手渡す。

「大丈夫っスか?暗いから気をつけないと危ないっスよ?」

なんて言ってると女の子がさっきの手提げを自分に返してきた。

「あ・・・あの・・・こないだの方・・・ですよね?」

暗くて顔がよく見えなかったが声的にはやっぱりこないだの女の子だった。

「あの・・・黒崎から聞きました・・・今日・・・お誕生日ですよね?」

(たしか黒崎さんによるとさんっていうんでしたっけ?)

はぁ?と疑問気味の返事をしてそれを受け取る。

「迷惑・・・でしたか?すみませ・・・そんな急にこんなの・・・」

下に俯いたまま黙りこくってしまったの頭にぽんと手を乗せ、にかっと笑った。

「迷惑なんてそんな、とっても嬉しいっスよwこれからうち来ません?お蕎麦一緒に食べましょうよ♪」

いいんですか?と小さな声で問うにハイ♪と笑顔で喜助は答えた。

急にパァと明るくなったの顔はとっても可愛らしく愛しくも思えた。





「ねぇさん。」

「え、な・・・名前知ってるんですか!?」

びっくりしたのか喜助の顔を見上げる。(というのもには喜助がでかすぎるからだ)

「はは。黒崎さんから聞いてますよん♪」

そうなんですか、なんて顔を赤くしてまた俯く。

「アタシね、さんの事が気に入っちゃったみたいなんですよ。」

え、と少し気の抜けた声が下から聞こえたがそれを気に留めず言葉を続ける。

「それでアタシと付き合ってほしいんスよ。」

ごめんなさいねこんなこと、と笑って誤魔化す。

はまた下を向いたまま黙ってしまった。

「冗談冗談wすいませんねぇいきなり変な事言って。」

あははと手をぴらぴらさせて苦笑い。

「残念。冗談なんですか?」

強い意思の篭った目では喜助を見上げる。

「私、浦原さんの事なんにも知らない。けど、助けてもらった時からいつもいつも貴方の事ばっかり考えてた。」

「今日、もしプレゼント渡せたら私から告白しようって、そう思ってたんです。でもやっぱり本人に直接会うとそんな勇気吹っ飛んじゃって・・・」

本当に残念!と悲しそうな微笑で誤魔化す。

自然に瞳が潤ってきて雫が垂れそうになってくる。

やだ私ったら!と長めの服の袖で雫を拭おうとした。

その瞬間、暖かいものに抱きしめられた。

「付き合って・・・もらえます?」

さっきよりちょっと低くなった声で甘く耳元で囁く。

「夢・・・じゃないですよね?」

「本当っスよ・・・。」

ぐじゅ、と鼻を啜る音と震える声で言うを一旦自分から離し、「ね?だからもう泣かないで。」と優しく言う。

「浦原さん・・・」

「はい。」

「大好きです・・・あの、生まれてきてくれてありがと・・・」

可愛らしくて愛しい彼女の小さな唇に噛みつくような甘い口付けをする。

初めてなのか苦しそうな息遣いのは喜助の甚平を一生懸命掴む。

「うらはらさ・・・ん。」

「喜助って・・・呼んでください。」

「喜助・・・」

「何?。」

「愛してる。って言えないくらい好きだよ」












生まれてきてくれてありがとう














おぉお即席だからすごいことに・・・

とにかくお誕生日おめでとう!愛してるよはふんw