「そういえば。」

流れるように消えてゆく景色は、すぐ酔ってしまう私にとっては恐ろしく早く見え、目眩を起こすほどだった。

「いつものことですが。」

途切れ途切れに言う私の言葉に政宗は、Ah?と素っ気無く返し運転に集中する。

「普通の道で、しかも制限速度が50キロの道で80キロ超えて走っているのは、何故でしょう。」

政宗に誕生日にプレゼントしてもらった、可愛らしいリボンのついたピンクのバッグに無造作に手を入れ酔い止めの薬を探す。

「いつも同じquestionをするんじゃねぇ。」

分かってんだろ?と、横目でちらりと私を見てさらに加速して行く。

これでも弁護士の卵・先生達の期待の星。

これでいいのか日本の未来。

朝早いためあまり車が走っていないのが幸運なのか不幸なのか・・・

そう考えているうちに、ついに90キロを越えてしまった。

「ちょ、うわわあああああわ速速はひゃい!!」

「Ha!舌が回ってないぜhoney?」

喉の奥でくく、と笑い政宗はハンドルを見事な程に回し急カーブをした。

「は、吐く。普通に。あ、だ  め。」

私は窓の外から目線を逸らし、下睫毛に大粒の雫を溜めて政宗をじっと見つめた。

「お、おい!本気か!?待ってろ!今コンビニ入るから!」

流石にやりすぎた、と思ったのか、スピードを落として近くのコンビニに向かう。

一応優しいところはあるんだな、と思いました。

(一応です。一応)







「大丈夫・・・か?」

コンビニのトイレを借り、無事災難を乗り越え、外に出ると政宗が入り口で待っててくれた。

「うん大丈夫!カフェモカとピーナッツクリーム入りパンを買ってきちゃった!」

すっかり吐き気が治った私は少し調子付いて食べ物を買ってきてしまった。

「おいおい・・・・・・あんまり食い物とか買ってくるなよ?」

さっきまで嗚咽をしかけていた私を思い出したのか、政宗はなんだかすごく心配そうな顔をする。

「大丈夫だよ!さて、学校へ連れてってくださいな。」

ささ、と政宗の腕を掴んで車まで誘導する。

「あ、今度はゆっくり走りましょうね?」

私はそう一言言って車の方に向き直った。





後書き


やっと2話更新。

遅すぎた・・・もっと速く更新しなくちゃ・・・

さて、次はついに学校到着です。

ちゃんと続くかな…どきどき